とある元大学院生のブログ

音声学の研究室に所属しながら教育工学の真似事をやっていました。日本語教師を経て現在ITコンサルタント。

勉強会を成立させるために

院生生活も4年となったと同時に研究室の勉強会運営も4年目となりました。

勉強会を最低限成立させるために必要なことについて整理がついてきたので、ここらで一旦まとめておこうと思います。今後の自分のメモとしての意味合いが大きいので見てくださっても得るものはないかもしれません。というより、最低限のことなので、得るものがないことを願います。

 

まずうちの研究室の環境ですが、

  • 学位を取れればそれでいい、という人が多い(うちの学位はとんでもなく低レベルでも取得可能)
  • 学部生の時に現在の専門分野についてほとんど学んでいない
  • 先生にやれと言われたから参加しているだけで、勉強会はしたくない人がほとんど

という感じです。研究として何か成し遂げたいなんて人はほぼいません。

その環境の中で、広く押さえておくべき基本的な知識について勉強会しようというのが主旨となります。

 

またうちの勉強会の形式や内容ですが、

  • 指定されたテキストを半期で輪読
  • 毎回担当者が担当箇所をスライド形式で発表
  • 適宜質問を行い、さらに発表後にもディスカッションを設けている

といったところです。

これらの環境においてどう勉強会を進めていけばまともな勉強会となるかを書いていきます。

 

  • テキストの丸写しは禁止

これはわざわざ書かないといけないのか…といったところですが、勉強会を行ったことがない人、これまで発表したことがない人は案外やります。

テキストに書いてあることを丸写しして読み上げるだけ、というものですが、これならそれぞれが本を

読んできているはずなので何も生まれないし、建設的な時間は過ごせません。せめて自分の言葉で言い換えるか、要点をまとめたスライドの作成が必要となります。

 

  • 参考文献は必ず載せる

こんなことは院生ならば必ずしているはずですが、意外と参考文献を読みたがらない(そもそも読もうとしない)院生は結構います。せめて自分が関係しそうなことだけでも参考文献として挙げることは強要しておこないとただテキストをまとめて終わり、という時間を過ごすことになります。何か自分に関連付いたことでないと学ぶ気にならないというのも分からなくはないので、参考文献や先行研究の探し方を教えるところから始めないといけないかもしれませんが。

 

  • 分からないことは分からないと言う(言わせる)

どれだけ一生懸命先行研究をあたっても分からないことは分からないということは往々にしてあります。その道の専門家でも人の書いた文献の真意まですべて読み取ることは難しいと思います。

勉強会の目的は、参加者が知識を得ることや新たな観点を得ることにあります。そのためにテキストを読み、ディスカッションを行うのです。ディスカッションを行おうにも誰もがすべて分かっている顔をしてしまっては意味がありません。発表者は積極的に分からなかったことは分からなかったと発言するべきですし、知識を持っている人がいるのであれば、あえてディスカッションしやすい疑問を投げかけることも重要でしょう。もちろん担当者は自力で調べあげてくるつもりで臨んでいることは前提ですが。

 

 

とりあえずこんなところでしょうか。

何かあればまた追記します。