とある大学院生のブログ

音声学の研究室に所属しながら教育工学の真似事をやってます

卒論・修論を人に見てもらうにあたって

私大ではもう卒論等の提出は終わったころでしょうか。

私の所属する研究科は今週末が修論提出締切日、今月末には卒論の締切が迫っています。

そのため先月ぐらいから自分の研究活動がほぼ停止する勢いで後輩の修論等に目を通しているのですが、あまりに自分で直すことのできない現状に胃を痛めながら毎日数時間は論文添削に時間を割いています。

まあ卒論や修論で初めてまともな文章を書く人も少なくないと思いますし、投稿論文とも少し違う部分もありますので、要領を得たころには提出してそのまま卒業、ということもあるかと思います。

そこで一部思いついた部分だけでも卒論や修論を進める上で大切にしてほしいことをまとめておいて、来年の後輩にはここに書いてあることをできていなければチェックはしない、という方針で進めていこうと思います。

少しでも文章を書いたことのある人には当たり前すぎることだと思いますが、意外とこういったことが抜けてる人も多いのでまあ一応ということで。

 

1.数字・英字は半角で

数字・英字は半角で打ち込みましょう。以上。全角英数字許すまじ。

 

2.バージョン管理をしっかりと

クラウドで共有しながらファイルのチェックをしているとどうしても複数のファイルで文章を作成することになると思います。添削された前と後でどこかが直されたかをチェックする、直してもらいながら同時進行で書く、と言った場合にバージョン管理をしておけば便利なのは当たり前ですが、添削者がどのファイルを添削すればいいかを判断するためにもバージョン管理はしておく必要があります。

 

3.ファイル名の管理

ファイル名がぐっちゃぐちゃなものをよく見ます。「修論」だけだったり章のタイトルがそのままファイル名になっていたり、と本人以外には分からないように工夫したのか?と思うよう状態です。

例えば「第3章nakajima0110」(添削した日付と名前)や「第3章追記0110」など、いつ、どんな作業があったのかを書いてあれば分かりやすくなります。

 

4.章ごとにファイルを管理

切羽詰まってくる(詰まらなくても)と添削と執筆が同時に起こる、なんてことは当然よくある事態となります。その際に同じ1つのファイルをチェックしていると添削内容が反映されない、添削した部分を執筆者がすでに削除していた、なんて悲惨なことが起こります。私はすでにこういった経験が数十回あります。そのたびに添削者は絶望的な気分になるのです。期限があるのでチェックはしますが、二度と顔を見たくないという気持ちにまでなってきます。

そういった事態を避けるためにもせめて章ごとにファイルを管理、それとすべてつないだ本文全体のファイルを用意しておくと良いかと思います。通しで作っておかないとレイアウトが管理しづらかったりすることも起こるかもしれませんので。

 

 5.自分で直せることは自分で

当然なんですが自分でできることはやりましょう、ってのは当たり前ですが、そこをどう直せばいいのか分からないのが卒論や修論でありがちなこと(ありがちってのが納得いかんけども)。

そう言う時は学部や研究科、研究室でフォーマットが決まっていればそれに則り、そうでなければ自分が一番よくチェックする論文誌などに従いましょう。基本的には外国語教育分野であればAPAに従ってればなにもトラブルは起きないはずですが、細かい具体的な仕様が気になることも多いと思います。章立ての書き方、論文の流れ、図表の挿入などは先行研究に従っていれば特に怒られるいわれはなくなるかと思います。

少なくとも私みたいな人間に「論文読んだことないの!?」って怒鳴られることはなくなります。

 

6.嘘は書かない

執筆が進むと自分が理解せずに使っていた用語や何を書いているのか分からない状態にぶつかることは少なくないと思います。そんな時、時間の限り調べることも大事ですが、締切が差し迫ってきているような状態ではそんな余裕もないと思います。先輩、先生に何か言われたら分かりません、と素直に言えばいいのです。

分からないことは知ったかぶって書いてぼっこぼこにされたり、嘘をついて信憑性のない文章を作ってしまうぐらいなら自分の知っていることだけをきちんと書きましょう。

教育工学ってなんだ

先日LETの基礎研に参加してきました。

 中部支部Wiki : 外国語教育基礎研究部会 第4回年次例会 [外国語教育基礎研究部会第4回年次例会] - LET Chubu

 

草薙先生のワークショップがありまして、そこで外国語教育研究の歴史的変遷の簡単な確認と、グループワークとして各自の研究に対するアプローチはどんなものか、という話があって、自分のことは考えてたけど他の人の話を聞くのはなかったなあなんて思ってました。

今回はそこの話ではないので、気になる人は他の参加者を見つけだして聞いてください。

 

僕はそこで教育工学に分類されるアプローチをしているつもりなので、認知主義的な人みたいにあまりあるかないか分からない概念を想定して議論をすることはないです、ビフォーアフターでこんな感じになるものを作りました、みたいなことやってます。って話をしたんですよ。例えば音とか表情みたいに確実に存在しそうなものを測ってみました、みたいな。

思っていたより多くの人がそういったアプローチと無縁だったようでやけに興味を持たれた印象を受けて帰ってきたらこんな記事を見つけました。

教育工学 学びのデザイン ICTで変わる大学教育:朝日新聞デジタル

 

これ読んで「俺の知ってる教育工学」と違う…ってなりました。

教育工学ってもっとシンプルに技術を利用して何かしました、ってところで技術の部分やその結果が焦点になるものだと思ってたんですね。技術的に工学的なアプローチを取ることで初めて達成された何かを工学に分類するもので、工学的なアプローチがなくてもできることに応用するだけでは単なる教授法だったりその他教育学に分類されるものではないのかと。

具体的にはこのあたりですね。

だから何かという訳ではないです。なんか納得いかなかっただけ。以上。

 

音と音素

現在とある共同研究の関係で中国語の音声を扱っている。

その関係で先日研究室内で発表した際に言われ、気になっていることとして

「音は存在するが、音素は概念なのでピンインの音(おと)を表記するのであれば音を示すIPAを用いるべきだ」ということ。

 

音素表記よりIPAを用いることが妥当だ、ということは納得できるが、前半の

「音は存在するが、音素は概念」という部分がどうも納得いかない。

 

実際に世の中には音声が溢れていて、それが存在するということは理解ができるが、音声を音に切り分け、そこに符合を割り当てた場合、それら一つ一つが独立して存在すると表現するのはいささか乱暴ではないのか。音声は連続的なものであり、個別の音の境界は曖昧なものであるはず。

例えば有声と無声の違いを明確にある境界で区分できるかと問われれば個人差などもあり、それは不可能と言わざるをえないだろう。

大きな区分としてIPAを利用し、それぞれの音を分けるという行為はあくまで便宜的なものであり、それは音素の扱いとあまり変わらないのではないのか。

 

IPAを用いた方がより普遍的な音声表記に役立つ、までなら十分納得できるんだけれども・・・。

なんとなくもやもやしている最近のトピックでした。

勉強会を成立させるために

院生生活も4年となったと同時に研究室の勉強会運営も4年目となりました。

勉強会を最低限成立させるために必要なことについて整理がついてきたので、ここらで一旦まとめておこうと思います。今後の自分のメモとしての意味合いが大きいので見てくださっても得るものはないかもしれません。というより、最低限のことなので、得るものがないことを願います。

 

まずうちの研究室の環境ですが、

  • 学位を取れればそれでいい、という人が多い(うちの学位はとんでもなく低レベルでも取得可能)
  • 学部生の時に現在の専門分野についてほとんど学んでいない
  • 先生にやれと言われたから参加しているだけで、勉強会はしたくない人がほとんど

という感じです。研究として何か成し遂げたいなんて人はほぼいません。

その環境の中で、広く押さえておくべき基本的な知識について勉強会しようというのが主旨となります。

 

またうちの勉強会の形式や内容ですが、

  • 指定されたテキストを半期で輪読
  • 毎回担当者が担当箇所をスライド形式で発表
  • 適宜質問を行い、さらに発表後にもディスカッションを設けている

といったところです。

これらの環境においてどう勉強会を進めていけばまともな勉強会となるかを書いていきます。

 

  • テキストの丸写しは禁止

これはわざわざ書かないといけないのか…といったところですが、勉強会を行ったことがない人、これまで発表したことがない人は案外やります。

テキストに書いてあることを丸写しして読み上げるだけ、というものですが、これならそれぞれが本を

読んできているはずなので何も生まれないし、建設的な時間は過ごせません。せめて自分の言葉で言い換えるか、要点をまとめたスライドの作成が必要となります。

 

  • 参考文献は必ず載せる

こんなことは院生ならば必ずしているはずですが、意外と参考文献を読みたがらない(そもそも読もうとしない)院生は結構います。せめて自分が関係しそうなことだけでも参考文献として挙げることは強要しておこないとただテキストをまとめて終わり、という時間を過ごすことになります。何か自分に関連付いたことでないと学ぶ気にならないというのも分からなくはないので、参考文献や先行研究の探し方を教えるところから始めないといけないかもしれませんが。

 

  • 分からないことは分からないと言う(言わせる)

どれだけ一生懸命先行研究をあたっても分からないことは分からないということは往々にしてあります。その道の専門家でも人の書いた文献の真意まですべて読み取ることは難しいと思います。

勉強会の目的は、参加者が知識を得ることや新たな観点を得ることにあります。そのためにテキストを読み、ディスカッションを行うのです。ディスカッションを行おうにも誰もがすべて分かっている顔をしてしまっては意味がありません。発表者は積極的に分からなかったことは分からなかったと発言するべきですし、知識を持っている人がいるのであれば、あえてディスカッションしやすい疑問を投げかけることも重要でしょう。もちろん担当者は自力で調べあげてくるつもりで臨んでいることは前提ですが。

 

 

とりあえずこんなところでしょうか。

何かあればまた追記します。

 

 

 

 

5月6月の学会参加予定

5月21日  LET関西支部2016年度春季研究大会

B号館2階


①B208    15:45〜16:15
中学校における準備型ディベートと即興型ディベートの効果(戸田行彦)

②B205    14:00〜14:30
語彙小テスト問題形式による学習方略の変化:大学生初級学習者に焦点をあてて(中山哲平)

③B206    14:35〜15:05
コンピュータによる発話自動採点の導入可能性を考える:MyETの利用調査(近藤悠介・石井雄隆)

④B206    15:10〜15:40
大規模クラスにおける英語音声指導:音声認識アプリDragonDictaitonを用いた自己分析の試み(中西のりこ)



6月11日・12日  関西英語教育学会2016年度(第21回)研究大会

於:大阪教育大学天王寺キャンパス


11日
13時よりのワークショップに参加
第2室     音読のバリエーションに応じた音声編集(菅井康祐)

12日
9:30より参加
公募フォーラム

ブランチセッション
第2室

研究発表・事例報告
①第2室 第2会議室      13:00〜13:30
英語による導入の効果測定ー習熟度と動機づけの観点からー

②第2室 第2会議室      13:35〜14:05
学生のプレゼンテーション力は、評価者としての学生の評価力はに影響を及ぼすか?ー教員による評価と学生による評価との関係からー    

③第4室 第9講義室     14:10〜14:30
仮定法用語一貫性理論:仮定法に係わる用語に論理的一貫性を具備させる(秦正哲)

④第1室 第5講義室
ポスター発表見学
英語リスニング力とスピーキング時における不安の関連性についての役割


6月18日 LETメソドロジー研究会2016年度第1回研究会

於:関西大学千里山キャンパス 岩崎記念館3F CALL2 教室

同日午後
Kandai.R #1
於:第3学舎A305教室

その他

6月4日LET第45回九州・沖縄支部研究大会への参加を検討しています。
6月25日は学部生に住んでいた京都大学YMCA地塩寮再建委員会会議が入っているため動けません。

本日の勉強会

本日はうちの研究室での勉強会(前期2回目)でした。

今期は『外国語教育研究ハンドブック』(竹内・水本編)

 

外国語教育研究ハンドブック―研究手法のより良い理解のために

外国語教育研究ハンドブック―研究手法のより良い理解のために

 

 こちらを利用しています。週に1回、おおよそ2章ずつ進め、前期の間に量的研究の部分までは終わらせる予定です。

 

毎回担当者が該当箇所をまとめて発表し、その後実際に演習を行います、担当者がそこは準備してきてねって話をしたはずなんですが、誰もパソコンを持ってこないし、発表者は発表を終えるとすぐにパソコンを片づける始末…。

やる気があると自称しててもそこまで本気でやる気はない、という問題が一つ。

ただそれ以上にどうやってみんなで演習を行えばいいのか分からない、というところが課題です。今までそれぞれが単独プレーしかしたことなかった研究室でもあるのでそもそも誰かと何かをするということに壁があるようでもありますが。

来週は自分が担当なので、きちんと演習ができるように事前にデータの配布等を行っておく必要性をかなり感じた勉強会ではありました。

 

メモとしてデータがあるURLだけ書いておくことにします。

外国語教育研究ハンドブック | The Handbook of Research in Foreign Language Learning and Teaching

あとは来週は必ずPC持ってくるようにメールしておくか